調布のリスのノート

調布のリスの巣です。大学院での日常及び備忘録を書いてます。

函数の台

函数fの台は以下のようにに定義される.

supp(f):=\{x\in X|f(x)\neq0\}

|f(x)-I_{C}(x)f(x)| < \varepsilonとなるようなRをを近似するコンパクト部分集合Cを選ぶことによって,任意の関数fをコンパクト台付き関数で近似することができる。ただし,I_{C}は定義関数.

generalized stochastic processあたりで出てきた.超関数などにも応用できるとのこと.

確率過程とはなんぞや

確率過程の勉強をやってきていない(サボッテキタワケジャナイヨ)ので,基礎から入ろうと思う.とりあえず,マルコフ連鎖くらいまでやろうかなと思ったりしてる.
まずは定義から確認していく.

定義

時間tの経過とともに変化する確率変数\xi(t)を考える.実数のパラメタt \in Tの関数\xi=\xi(t)で各tにおける値\xi(t)が確率変数であるようなものを確率過程と呼ぶ.
また,確率過程の値\xi(t)は確率変数であるから,形式的には基本事象\omegaに依存する,すなわち\xi(t)=\xi(\omega,t).これを与えられて確率過程の軌跡,あるいは標本関数と呼ぶ.

確率過程入門 ロザノフ著 佐藤健一 佐藤由美子訳(p.125)より

この本にも書いてある通り、私達が確率過程を観測する際は生じる軌跡の一つと考えることができるのが面白いと思う.n次元空間を基本事象の空間として考えることが出来たり,できることが多そうだなと思った(小並感).

次にマルコフ過程の定義を見ていく.

定義

確率過程がマルコフ過程であるというのは,任意の時刻\muを取って\xi(\mu)=xと定めたとき,確率変数\xi(t),t \gg \mu,\xi(s),s \gg \muに依存しないことである.

確率過程入門 ロザノフ著 佐藤健一 佐藤由美子訳(p.126)より

わかりやすく言い換えると,\mu以降の挙動が\muまでの挙動に依存しないってことですね.
もっというと,どんな時刻\muをとっても,\muにおける状態x=\xi(\mu)が分かれば,\mu以降の挙動は\muまでの挙動に依存しないことがわかる.

 

ここで,いくつか例を確認していく.

 

例.ポアソン過程

ある時間(s,t)の間に起こる事象の数は時刻sまでに起こった事象の数に依存しない.明らかに,現在の時刻tまでに起こった事象の数\xi(t)という確率過程はマルコフ過程で,\xi(s)=iの状態から\xi(s)=jの状態(t > s)への推移の確率は

p_{ij}(t-s)=\frac{{\lambda(t-s)}^{j-s}}{(j-s)!}e^{-\lambda(t-s)}, j\leq i

である.

 

例.ブラウン運動

任意の状態\xi(s)=xからのブラウン運動粒子の運動は時刻sまでの挙動に依存しない.条件\xi(s)=xの下での確率変数\xi(t),すなわち時刻t > sにおけるブラウン運動粒子の座標の分布は密度

p(x-s,x,y) = \frac{1}{\sqrt{2\pi(t-s)\sigma}}e^{-(y-x)^2/2(t-s)}, - \infty > y >\infty

を持つ.

 

例を見るとなんとなく実感が湧いてくる.特にブラウン運動はとても分かりやすい例だと思う.他に良さそうな例があれば,追加する.

マルコフ性について確認しておく.以降のマルコフ過程では,この強マルコフ過程が成り立つものとする.

マルコフ過程\xi=\xi(t)強マルコフであるとは,任意のマルコフ時刻\tauに対して,P(s,x,t,B)をこのマルコフ過程の推移確率とするとき,\tauから時間hのあとに集合Bにある条件付き確率がP(\tau,x,\tau+h,B)に等しいということである.

マルコフ過程は依存しないだけだが,こちらは推移確率が一致するというふうに強まっていることがわかる.

 

次にマルコフ連鎖について定義を確認していく.

 

定義

 

確率過程\xi=\xi(t)においてパラメタtt=0,1,2,\cdotsとしたとき推移の連鎖

\xi(0)\rightarrow\xi(1)\rightarrow\xi(2)\rightarrow\cdots

を扱うことになる.このような型の確率過程を,マルコフ連鎖と呼ぶ.

 

とりあえず,今回は定義の確認とする.これ以降気になる定理があったら随時更新する.

リス始めました

リス始めました。

リスみたいに自由奔放に、そして寒い時期は冬眠して生きていきたいなと思ったのでリスになりました。なんかやらかしてもリスだから仕方ないね。

 

んなどうでもいいことは置いといて、サイトを開いた理由は大学院の勉強の記録を残したいからです。学部はノート保管するのをめんどくさがって、ほとんど処分した結果、今とても後悔しているのでとりあえず管理が楽なネットにしたわけです。ということで、これから気まぐれに再生核ヒルベルト空間や確率過程について書いていこうと思います。